これは蕎麦打ちの作業の要諦をゴロよく表した言葉です。同じ意味で「包丁三日、のし三ヶ月、木鉢三年」とも言われるように、蕎麦打ちの行程で一番大切な作業は最初に行う「木鉢」という行程です。(木鉢とは蕎麦粉と水を混ぜ合わせ馴染ませる技術)一見派手に見える包丁、のしは、以外と短時間で習得できますが地味な木鉢の技術は一生もので、蕎麦の良し悪しを決める急所として極めて難しい所です。
江戸流蕎麦打ちの手順ではこの木鉢の行程をさらに細かく「水回し(加水)」と「くくり(練り上げ)」に分けます。水回しは粉と水を一粒ずつ均等に結びつける作業で、力を加えすぎず素早く入念にかき混ぜ、くくりは水分を粉の内部に押し込み蕎麦粉の持つ粘りを引き出し、腰の立った麺帯を作ることが目的です。
木鉢という行程で使う道具・・「木鉢」はトチの木で作った朱色の漆塗りで、一般の老舗では現在直径約三尺の物を使用しております。
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